厚生労働省が発表したところによると、希望しても保育所などに入れないいわゆる「待機児童」の数が、4年ぶりに減少したと発表されました。
しかし、色んな所では、「実は減っていない」とか「少子化は進んでるのに減らないのはおかしい」とかの意見が多くみられます。
今回は、今なお多くの待機児童がいる現状や少子化が進んでいるのに、減らない問題点について「 待機児童減少のはずが現状は?少子化なのに減らない問題点と対策は?」と題してお伝えしていきますね。
待機児童減少のはずが現状は?

厚生労働省の発表によると、待機児童が減少したのに「実は減っていない」と言われる理由について考えてみましょう。
自治体が公表する待機児童数のからくり
実は、自治体が公表する待機児童の数は実際に申し込みがあった数とかなり剥離があります。待機児童「ゼロ」と公表した自治体が1306と、全体の75%を占めるほどになっており、待機児童問題の解消が近い印象を受けるのですが、実はこの数字にはいろいろな物を差し引かれた数字になります。
厚生労働省が「待機児童に含まなくてよい」と除外規定を設けており、それに該当する待機児童は数から引かれて申告されている為に、このような事態になっています。
待機児童に含まなくてよい「除外規定」とは
では、どんな「除外規定」があるのでしょうか?
規定は全部で5つ
(1)保護者が求職活動を停止した
(2)特定の園を希望している
(3)自治体が補助する認可外施設を利用している(東京都の認証保育所など)
(4)保護者が育児休業中
(5)認可外の「企業主導型保育所」を利用している、場合など
となっています。
当然ながら保護者としては、評判のいい保育所や家から近い保育所を希望する事が多いので、(2)に該当します。こういった除外規定に当たり、件数に含まれない待機児童数がなんと7万人もいる事が分かっています。公表された約2万人という数字はなに?という意見もうなずけますよね!!、調査の意味を疑ってしまいます。
実質的に対応して欲しいですね。
数字の算出方法見せかけで待機児童ゼロにしましたと胸を張られては困ります。さて、幼稚園は余り気味、保育園は将来の需要減少および保育士不足で新設モチベ… #NewsPicks https://t.co/co8Fcm76Yt
— 横田 響子 (@colabolabo) November 21, 2018
公表数字を正しく伝える。
本件に限ったことではないですが、あるべき姿を実現していくためには、社会的に事実が認知される他、議論は進まないのではないかと。今後の人口減少や保育士の… #NewsPicks https://t.co/EMSrqlhCNR
— SUSUMU (@susumu9033) November 20, 2018
少子化なのに減らない問題点と対策は?
ではなぜ少子化が進んでいるのにも関わらず、待機児童が減少しないのかを見ていきましょう。
共働き家庭の増加
政府は約20年前から待機児童「ゼロ」か掲げていますが、未だに解消されない原因の一つが、共働きの増加が挙げられます。保育園の利用率は予想以上に上がり、今や1~2歳児の半分が保育園に通っている状況で、今までは3歳までは親の元でという考えがありましたが、今は経済的にも余裕のない家庭が増え、1~2歳児で保育所に預け、働きだす主婦の人が増えてきてる現状があります。
小規模保育所の増加の連続保育施設の不足
また、小規模保育施設と言われる、「子ども・子育て支援新制度」で生まれた施設があり、保育ニーズの高い0~2歳を、定員6人以上19人以下の小規模施設で保育する比較的小コストで運営できる施設が増加し、待機児童減少に寄与したとされるが、この小規模保育所は3歳以降も連続して保育できる施設の設置が義務づけられております。その猶予期間が5年用意されていましたが、2019年でその期限を迎える事になりますが、相当数の小規模保育所では連続保育施設の確保が出来ていない状態で、3歳を迎えた児童の行き場がない事態に陥っています。
また、連続保育施設が確保できない保育所は取り消しの可能性もあり、その場合はまた保育所不足に拍車がかかる結果となる可能性もあります。
育児教育無償化が施行
国も何も全く対策をとっていない訳ではなく、本来であれば2020年4月から実施予定だった「幼児教育・保育の無償化」が半年前倒しになり、2019年10月からスタートする事になりました。
これは、0歳~2歳に関しては非課税世帯対象、3歳~5歳は認定施設では無償化対象ですが、認定外施設は対象外となるので注意が必要です。この無償化で、保育園から幼稚園でも大丈夫な家庭があれば待機児童減少に効果があると思われますが、現実は幼稚園では、子供の帰宅時間が早かったり、何かと制約が多く、経済的に共働きが必要な世帯はやはり保育園を選択する事になるのではないでしょうか?
現在、所得別の保育料なのだから、高すぎて生活できない。という家庭はないです。幼児無償化に充てようとしている血税を無意味なばら撒きではなく、保育施設増設、保育士の給与増にあてるなどして欲しい。更に待機児童が増え続け、保育士は減少しますよ。どうか、この声が少しでも届きますように。
— ミニーちゃん (@nipopodoll) November 11, 2018
まとめ
今回は、待機児童減少のはずが現状は?という事で「待機児童減少のはずが現状は?少子化なのに減らない問題点と対策は?」と題してお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?
国も対策を行っているようですが、今一ポイントがずれているような気がしますね(>_<)
国民の生活が厳しくなる中、子供を預けて共働きも出来ない世の中では、少子化が進むのもある意味納得ですよね。もう少し、子供を育てやすい環境を整えないと、少子化も改善されないのではないでしょうか?
もう少し、国も現実に寄り添った対応を期待したいものです。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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